第6期(2016-2018)活動基本方針(案)
我が国のピア・サポート実践と研究の先駆けである本学会は、2002年12月、「日本ピア・サポート研究会」として発足し、2006年には「日本ピア・サポート学会」として日本学術会議学術研究団体に認定され、今日に至っています。ピア・サポートの他の人を思いやる、人としての自然な傾向性」に着目した取り組みは、現代の子どもから大人まで、人間関係が希薄化していると言われる今日的な状況に、まさに生きて働く知恵を授けてくれているといっても過言ではありません。
今後、ピア・サポートのもっている力を十分に生かしていくために、本学会がこれまで取り組んできたことを真摯に振り返り、これから何をなすべきかについて分かりやすく明示していくことが、日本のピア・サポート活動の推進と普及に寄与していくのではないかと考えます。
今後の活動基本方針
- 日本ピア・サポート学会にアクセスしやすい環境づくりを推進する<利便性>
・HPの刷新をすすめ、ピア・サポートの仲間(新会員)の増強を図ります。
・会員のみなさんのニーズに応え得る、事務局組織の機能強化を図ります。
(★事務局・広報委員会・研修委員会) - 日本で取り組まれているピア・サポート活動実態調査を実施する<実態把握>
・我が国のピア・サポート(ピア・メディエーションなども含む)の取り組み状況を、都道府県教育センター等の協力を得て調査し、今後の学会の取り組みに生かすことができるように進めます。
(★研究調査委員会・研究紀要委員会・広報委員会) - ピア・サポートを身近に学べ、会員がつながる環境をつくる<支部設立の推進>
- 支部や地域でメンターとしての役割を担えるようなピア・コーディネーターやピア・トレーナーを育成します。(★資格認定委員会・広報委員会・研修委員会・事務局)
- いじめ・不登校問題などへの予防的対応としてのピア・サポート、特別な支援を必要する子どもたちとのピア・サポートなど、喫緊の課題に特化した研修講座の計画を行う<喫緊の問題への対応>
・多様な専門領域をもつ講師による研修講座をピア・サポートと関連づけて展開します。
(★研修委員会・研究調査委員会) - 海外におけるピア・サポートに関わる先進的な取組を発掘し、現地訪問による研究者との交流を展開する<異文化交流と多様性理解の促進>
・日本ピア・サポート学会が蓄積してきた多くの知見は、学会設立以前からの有志による海外のピア・サポート研究者・実践者との交流、学術研究から始まりました。
この潮流は現在も受け継がれており、今後も海外の研究者・実践者との交流を続けていきます。
(★国際交流委員会・研究調査委員会)
1 第15回総会・研究大会(沖縄)開催
2016年10月9日(日)、10日(祝月)沖縄県総合福祉センター
2 役員会
常任理事会:年3回実施(2016年7月、9月、2017年1月)
理事会:年1回実施(2016年10月)
3 各委員会
(1)研究調査委員会
【課題】大学におけるピア・サポートの研究・実践の理論化と執筆。
①高校・大学におけるピア・サポート実践の調査と理論化
・高校の会員へのアンケート調査を行い、実践の到達点を把握していく。大学における実践動向と合わせた理論化が必要。
②海外の大学におけるピア・サポートプログラム、実践に関する調査
・イギリス、カナダの大学への調査を行い、結果の一部を大会WSにて報告。定式化されたプログラムではなく、学生の実態や課題に応じた柔軟なプログラムが工夫され、開発されている。
③大学におけるピア・サポートプログラムの開発と理論化
・大学内における実践と、大学から中学・高校などに対する実践を踏まえながら、両方の視点からの検討が今後必要。海外の大学における調査を踏まえて、日本の大学でどのように取り入れ、プログラムの開発と実践につなげていくのかの検討と理論化が必要。
④大学におけるピア・サポートの理論と実践に関する書籍の出版
・この間の出版社との意見交換の中で、大学における実践書というよりも理論化に重点を置いた理論+実践といったコンセプトの方がいいのではないかといった意見も受けている。調整を重ねたうえで、執筆者の確定、原稿の依頼を進めていく。
(2)研修委員会
【課題】資格取得・更新と研修との関係、資格に求められる資質や力量の整理
①コーディネーターのためのファシリテーター講座
4月29日(金)・30日(土) 大阪教育大学
講師:森川澄男・春日井敏之・栗原慎二・菱田準子
②トレーナーのためのブラッシュアップ講座
6月11日(土)・12日(日) 早稲田大学
「自校化にむけて」 研修委員会:菱田準子・中林浩子・矢代幸子
「子どもを育てるPBIS入門」
〜望ましい行動への介入とサポートをどのように仕組むか、ピア・サポートとの関連〜
講師:バーンズ亀山(NY 州公認スクールサイコロジスト)
③サマータイム研修
7月16日(土)・17日(日) 早稲田大学
「いじめ・不登校から見える子どもの世界と課題解決のために」
〜対人援助職としての教師・支援者、チームのあり方を考える〜
講師:春日井敏之(立命館大学教授)
「子どものポジティブな行動への介入とサポート」
〜ペアレントトレーニングとPBISの視点から〜
講師:高橋あつ子(早稲田大学大学院教授)
④「標準テキスト Ver3」の完成(8月)
⑤トレーナー養成ワークショップ
9月17日(土)・18日(日)早稲田大学 研修委員:菱田準子・中林浩子・矢代幸子
⑥トレーナーのためのブラッシュアップ講座
11月13日(日) (大阪市港区)弁天町市民学習センター
「自校化にむけて」 研修委員会:中林浩子・矢代幸子
「SEL(情動教育)」 講師:山田洋平(梅光学院大学)
⑦コーディネーターのためのファシリテーター講座
1月28日(土)・29日(日) 早稲田大学
講師:森川澄男・栗原慎二・菱田準子・中林浩子
(3)広報委員会
①ニュースレター「ピア・サポート」の発行
・ニュースレター28号(4月1日発行)
菱田準子研修委員長、実践報告(懸川武史、川村雅之、笹井惠子、古市由香里、吉田冷子)、
研修委員会報告(ファシリテーター講座)
・ニュースレター29号(7月10日発行)
高野利雄資格認定委員長、支部報告(北海道支部)、実践報告(下山郁子、望月保美、五日市
美穂)、研修委員会(「WS用標準テキストの改訂ポイント」について)、研修委員会報告
(ブラッシュアップ講座)
・ニュースレター30号(12月1日発行予定)
第3代会長、第6期役員等一覧、第15回総会・研究(沖縄)大会報告
第18回海外研修(シンガポール)感想、研究紀要投稿募集案内
②学会ホームページの更新
(4)研究紀要委員会
①紀要「ピア・サポート研究」13号の発行 2016年12月末発行予定
研究紀要発行までの流れ | |
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12月末 | 研究紀要投稿募集案内(ニュースレター) |
2月末 | 原稿締切 |
3月 | 一次審査(ページ数・体裁・投稿資格の有無等の確認) ・受領証発行 ・査読者の割り振り |
4月 | 査読者への依頼 |
5月末日 | 査読結果の集約 |
6月 | 投稿者に査読結果の通知 (基準に則って審査委員長が決定。必要に応じて審議) |
7月 | 再投稿受付期間 |
7月〜8月 | 掲載論文の決定 (基準に則って審査委員長が決定。必要に応じて審議) 英文アブストラクト作成の依頼(国際交流委員会) 事務局資料の提出(事務局より) |
9月 | 印刷会社に依頼 第一稿のチェック 第二稿のチェック |
12月 | 完成 |
②海外研修(シンガポール)報告書の発行 2016 年 10 月発行
(5)国際交流委員会
【課題】学会の実践・学術面の充実に向けた,海外のピア・サポート関連情報の共有・発信
①情報収集:海外の教育事情等の情報収集
・2016年10月8日(土)第15回沖縄大会ワークショップ「海外研修」にて報告
ファシリテーター:国際交流委員 梅川康治
②情報収集:年度内活動:成果の集約をニュースレターに記載
③交流補助:海外研修の推進
《第18回海外研修(シンガポール)》
●海外研修訪問先との折衝・プログラム確定
●渡航準備(旅行社(JTB)との折衝,書面オリエンテーション作成)
●研修準備(資料翻訳:高見砂千,山崎茜,西山久子)
●研修推進(講師通訳:高見砂千,西山久子)*その他,参加者全員が役割分担
●研修まとめ(研修報告書作成‐編集長:八柳和夫,各班長・画像/書面記録担当)
●会計集約(大竹・西山)
④交流補助:海外講師招へい時のアシスト
2016 年度大会(沖縄)基調講演通訳・アテンド:協力員山崎 茜(講師 Brian Lee 氏)
⑤情報発信:実践/研究成果の海外への発信
学会誌(PS 研究アブストラクト英訳)
⑥年度内活動:学会ウェブサイトの簡略版英訳に向け、会長はじめ担当者の情報収集を行い,
翻訳版を完成させる
(6)資格認定委員会
①2016年4月 ピア・サポート・トレーナー(第19期)資格認定
②2016年6月ピア・サポート・トレーナー(第20期)認定申請受付・10月認定
③2016年10月ピア・サポート・トレーナー更新該当者(第10〜12期)へのお知らせ
ピア・サポート・コーディネーター資格申請該当者(第13〜14期)へのお知らせ
④2016年12月ピア・サポート・トレーナー(第21期)認定申請受付・4月認定
⑤2016年4月〜2017年3月 ピア・サポーター申請受付(毎月25日締め切り)
⑥2016年12 月〜 新認定審査委員による審査の開始
⑦学校認定講座・研修会の認定(承認講座番号を発行)
4 その他
①後援事業(各支部、会員による地域でのピア・サポートに関する研修等)
②特別委員会:資格更新・資格取得と研修との関連性、それぞれの資格に求められる資質・力量の検討